コッツウォルズの家

外観の美しい英国住宅は、日本の住宅に比べてかなり寿命が長いことで知られています。英国では、一度建てた家が時代を超えて当たり前のように受け継がれているのです。その寿命の長さにはどのような理由があるのでしょうか？

日本の場合、一度建てた住宅は古くなるにつれて老朽化し、資産価値も下がり、短期間で解体されて新しく建て替えることがほとんどです。日本の住宅のサイクルは、世界的に見ても短いことがわかっています。

国土交通省の建設白書によると、家の平均寿命を先進各国で比較したとき、日本の家は約26年であるのに対し、米国は約44年、英国は約75年という結果が出ています。英国住宅の平均寿命は、なんと日本の約3倍の長さとなっているのです。

英国住宅の寿命が長い理由は、住宅に対する考え方にあります。まず、家は次世代まで受け継がれる資産と考えています。その資産を維持することを前提に、建築のプロが耐久性のある丈夫な家を建てるのです。

また、日本では新築住宅が好まれますが、英国では古い住宅ほど価値が高いと考えられています。中古住宅の資産価値を維持するために、住む人が家のメンテナンスを熱心に行います。

メンテナンスに必要な材料も豊富に揃っており、愛着を持って手入れをすることで、住まいの価値を高めていくという意識があります。

英国住宅は、建物自体が耐久性に優れているだけでなく、住まい手が愛着を持って大切にするからこそ、寿命が長い家になるのです。家は人生最大の買い物であり、できるだけ寿命の長い家に住みたいと考える方も多いでしょう。

英国住宅のように「この家に長く住み続けたい」と思えるような家を建てて、メンテナンスをしっかり行うというライフスタイルも選択肢の一つです。