英国コッツウォルズ地方で受け継がれてきた蜂蜜色の家

くらしのコラム

角隠し

2016年7月25日

「家」=house というハードだけの状態に、
「庭」=garden というソフトが入ると、
ようやくひとつまとまった雰囲気の「家庭=home」が出来上がります。


庭を象徴するもの・無くてはならない要素といえば、
植物。(専門的には「植栽」とも言います。)
この、植物=ソフトがあると無しとで、家=ハードの印象は、がらっと変わります。
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固い構造物で出来た、固い線だけの建物は、どこか冷たくて、何ものも受け付けない!
という、拒絶する印象を受けませんか?
ハードだけでは、冷たい感じや、安らぐ要素が欠けている感じ、
そして、「どこか物足りない感じ」が、にじみ出ます。
また、建物は色や素材をなるべく統一して造ることが主流なので、単色ゆえに、殺風景さ・無味乾燥さも生まれがちです。
一方、やわらかな曲線や質感の植物が、建物の周りにあれば?
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庭デザインのテクニックのひとつとして、「角(かど)かくし」というキーワードがあります。
建物の角がキリッと際立つ直線的な部分に植物を植えると、
固く冷たい印象だった家も、植物の柔らかさによって直線をぼかされることで、
固い印象をほぐされて、全体的にやわらかでまろやかさのある、優しい雰囲気の家になるのです。

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和式の結婚式で、花嫁さんがかぶる白い布を「角(つの)隠し」なんて言いますが。
人間関係において、それをすれば事が荒立って間柄が悪化するようなことを予感させるものを「角(かど)が立つ」とも言いますよね。
植栽のソフトな緑や花による、お家の「角(かど)隠し」。
これもまた、「家庭の中に角が立たず、まろやかに安泰しますように」、という、
縁起の良いおまじないみたいなものなのかもしれません。
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